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蝉しぐれ [読書]

梅雨が明けました。
職場の近所の公園では蝉の大合唱です。
夏ですねー。

藤沢周平を読み始めて浅いのですが
こんなに早い時期に、おそらく藤沢作品の最高傑作を
読んでしまいました。ああ、もったいない!

蝉しぐれ

蝉しぐれ

翌日も平日だというのに、朝までかかって一気に読んでしまいました。
途中で止められるはずがありません。
そして余韻にひたる数日間。

今年は「自虐の詩」にしろ「男の操」にしろ「蝉しぐれ」にしろ
一生手放さないと思える本に何冊も出会えてよい年です。
出版の神様ありがとう。グーテンベルクよありがとう。
(グーテンベルクの胸像が飾ってあった大日本印刷の工場方面に向かって敬礼)


武士の家計簿 [読書]

武士の家計簿

江戸が好き。江戸時代。
学生時代から新社会人の頃に池波正太郎や山本周五郎を
読み漁ってて、特に好きだったのが江戸の市井もの。
戦国や幕末のような動乱の時代ではなく、飢饉や大火は
あったものの概ね平和で安定した江戸の人々の暮らしの中の物語が好きです。
池波正太郎の、殺し屋や警察機構や剣客の、斬りあいあり・捕り物ありの世界や、
山本周五郎の人情の世界を楽しんでましたが
そのうち舞台になってる江戸の暮らしそのものに興味を持って
当時は、時代考証本や薀蓄本を何冊か読んでみたりもしてました。
それからだいぶん経ってつい最近、藤沢周平の「たそがれ清兵衛」を読みました。
戦争の無い時代に武家に生まれて、登城しては右筆など事務職で働いて扶持を
貰う下級武士の暮らしが新鮮でした。小説ではそんな武士も
家中の事件に巻き込まれたりして、道場で鍛えた腕をしかたなしにふるって
斬りたくも無い人を斬っちゃったりしてますが、
実際に当時を生きたほとんどの下級武士は、家督を継いでから家督を譲るまで
役目を勤め、特に大事件に巻き込まれることもなく、真剣で斬り合うこともなく、
人生を過ごしたのだと思います。

そんな武士のくらしに触れられる本を読みました。

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新


歴史研究家が神保町の古書店で購入した古文書は
ある金沢藩士の精密な家計簿でした。
下級藩士だった猪山家は代々、御算用者としてソロバンひとつで身をたてていました。
幕末近くの武家といえば、借金まみれなのが普通なくらいだったそうですが
猪山家も年収の倍もの借金をかかえて、
ついに不退転の決意で借財整理をすることになりました。
藩の財政も逼迫していた加賀百万石の会計経理のプロが
本気で家計管理に取り組み、なんとか家計は持ち直します。
その当時の家計簿が37年間分に渡って残されていて、
借金を返すために売り払った家財道具が本、家具、衣服、茶道具、
欠けた椀や虫食い箪笥にいたるまで売値まで記録されていたり、
その後の子供の出産時のたらいの購入や産婆への謝礼から、
子供に買い与えた手習いの半紙代、剣術の道場に入門する費用、
藩の試験に合格した祝いの赤飯、結納、結婚……。家計簿から
当時の武家の暮らしが生々しく伝わってきて面白いです。
制度や文化風習は違えど、親が子を思う家族のありかたは
時代に係わらず通じるものもありますね。

この猪山家、下級武士であり歴史に名を残してはいないのですが
将軍家の姫と前田藩主の結婚にまつわる買い物の責任者の仕事を仰せつかり、
火の車の藩財政の中、見事に成し遂げ扶持50俵取りの身分から
70石の知行取りになってるのですが、そのときの成果が東大の赤門として残ってたり
上記の出生からの記録の残っている猪山成之は明治維新の時に
その経理能力を見出されて大村益次郎に引き立てられ、戊辰戦争の
兵站事務を担い、その後新政府海軍の会計として働くことになるのですが
靖国神社の大村像の建立に尽力したりと、彼らの生きた痕跡が
間接的に現在に残っているのも面白いところです。

勢いでダラダラと長くなっちゃいました。短く簡潔にまとめるのって難しいですね……


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